日本からの支援の経緯<2002年>

チベットへ出発する直前までずっと仕事に追われていたため、支援の呼びかけなどがまったくできませんでした。にもかかわらず、従来からご支援いただいている方々が覚えておいて下さって、2002年9月、日本円で10万円、タシ・ツェリン氏に手渡すことができました。ありがとうございました。領収書はこちらでご覧ください。

タシ・ツェリン氏は元気です
(→写真:左=タシ氏、中=長田、右=タシ氏の奥さんサンギェ・ラ)ただ、白内障治療のため、ラサに来ていた外国人医師にかかっていました。チベタン・カーペット輸出などの商売もうまくいっているそうです。最近バルコルの土産物屋などでは、カラフルなだけの安っぽいカーペットが幅を利かせてますが、彼のところの売り物はすべて手織り、天然染めです。

エマガン職業訓練学校は諸事情でしばらく停滞していました。何も問題がないわけではありませんが、情勢は好転し、部分的に開校することができました。

また、ラサのツェモリン地区の北京東路沿い(キチュ・ホテル対面あたり)に新築中の4階建てのビル(→写真)の1ブロックを、タシ・ツェリン氏が買い取りました。1階は店舗として、2階から4階は住居・事務所として貸し、その家賃をナムリンなどの学生のための基金として活用します。中国語で「農牧区奨学基金会」、英語で
“T.T. Prize Investment Foundation”と名づけてました。T.T. はTashi Tseringですね。
買い上げにはもちろん大金がかかったわけですが、8月の段階ですでに満室。氏いわく「10年で回収できる」そうで。まあ、西部大開発もあることだし、数年は景気も大丈夫だろう、というのが大方の読みです。
ちなみに、このビルの図面を引いたのは、タシ・ツェリン氏の奨学金でラサに学び、現在、建築設計院で働くナムリン出身の青年です。他にも、将来ナムリンで教師になるべく師範学校に通う学生などもいます。ラサの新ショル村には、ナムリンからラサに来た青少年が暮らす寄宿舎
「ナムリン学習基地」が建てられました。

以前、タシ・ツェリン氏のドキュメンタリー番組が西蔵電視台で放送されたことがありました。それ以来ずっと追跡取材をしているという西蔵電視台のカメラマンに今回会うことができました。