I Love Tibet!>>「ブルータス」、チベットに出会う! >>#09:エピローグ


ブルータス、チベットに出会う text: Kyo ARAKAWA

#09■エピローグ 蓮の花は泥の中に咲く[最終回]

編集者の田島さんがこれまで数々の海外出張の中でも優秀なコーディネーターの1人と太鼓判を押した、日本語が上手なギャルポさんをはじめ、街を歩けば知り合いになった人とばったり会って挨拶するほどなじんでいたから、ダラムサラから山を下りてくるときはほんとさみしかった。
ちょうど霧につつまれてひんやりした幻想的なアッパーダラムサラからロウアーに下りると、急にたくさんの極彩色が目に飛びこんでくるし、道を行き交う人も車も多くなってまさに下界に降りた気がしました。


仕事は毎日忙しかったけれど、ほんと楽しかったので、まさに雲の上のシャングリラへ行ってきたような取材でした。
最初はダラムサラの最高級ホテルなのに時々お湯がでない事や1日3〜4回の停電、ライターの有太さんの部屋のドアのカギはとれちゃうし、雹ががんがん降ってきたりと驚く事ばかりだったけれど、すぐに取材班全員なれて停電中のキャンドル&懐中電灯ライフもわりとレイブに来たみたいで楽しくなってました。
 そんな滞在中、ダライ・ラマ法王のインタビューの日はカメラマンのカブキさんの誕生日だったんです。私たちはこっそり名前の入ったケーキをコーディネーターにお願いしてお祝いしたのでした。

ダライ・ラマ法王をはじめダラムサラでお会いした人たちの聡明さとポジティブ・マインドに、強くチベットの将来は明るいと思った取材でした。
この10日間は一生の宝物だし、ずっと心に持っていて思い出したり考えなきゃと思います。



法王は長い間の修業によって精神をコントロールできるのだと思います。
そして、普通人は体験しないと話せないものなのに、修行で色々もう分っていらっしゃるから恋や愛のお話もでき、それが真実だからみんなの心に響くのだろうと思いました。

かといって法王は自由に心がコントロールできても楽で楽しいわけではなく、実は辛いこともとても多いだろうなあと、インタビューのとき一緒のお部屋でふとした瞬間に思ったりしていました。
あんなにチャーミングな方なんだし、もし法王になっていなかったら今頃は穏やかにお寺で過ごしていたかもしれないと思うのです。
知らない人と会うのは、どんなに人が好きな人だって69歳ともなればだんだん億劫になるものだし体力的にもお辛いはずなのに、私みたいな物事というものを知らない、まるで泥の中みたいな煩悩の街東京からやってきた者にさえ、しっかり目を合わせてニコニコなさってお話しくださり、飛行機で世界中を飛び回っている、本当に観音様のようなひとだと思います(チベット仏教徒にとっては本当にそうなんですが)。

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私は今回、<物事は色々な側面がある>と教えていただきました。さらに、たくさん側面があり、選べる環境だったら、明るて、あたたかくて、澄んだものをみるほうが人生はとても素晴らしいと言う事も。

私たちは泥の中に住んでるかもしれないけれども、蓮の花は泥の中に咲くもの。だから泥にも意味があるのだし、物事ひとつひとつには意味がある。何よりも私は蓮の花はきれいだから大好きだし!と思った次第です。
そして一緒に蓮の花をみて「綺麗!」と周りに言える人がいたら――それが家族でも恋人でも友だちでも――大事にしないとなぁと改めて確信しました。



今東京では、フランスから来たバルタバス率いる騎馬オペラ「ジンガロ」のアジア初公演が行なわれています。
首相の小泉さんも偶然来ていらした日、行ってびっくり! 華麗な馬と人(とアヒル)の共演はもちろん、特設テント内はがんがんチベットのお香が焚かれ10人のチベット僧たちが読経をし、思ってたよりずーっとチベット色が強かったんです。
今回の題目「ルンタ−風の馬」はバルタバスが3年近い構想を練り、自らダラムサラを訪れダライ・ラマ法王の許可を得てチベット僧を連れてくることに成功した作品。ゲルク派(チベット4大宗派の1つでダライ・ラマ法王はこの宗派のトップ)のギュートゥ寺院で僧の生活を実際に見てこの作品のイメージを膨らませたとのこと。
選ばれた僧たちはなんと2000年にフランスに渡り、ジンガロのメンバーと生活を共にしてきたというからまたまたびっくり!!!

ジンガロ、そしていよいよせまった法王の来日と、今日本はスーパーチベットづいてるようです!(荒川 京)

おわり

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▼ダライ・ラマ法王のことをもっと知りたい!
 ダライ・ラマ法王(チベット・ハウス)

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