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ブルータス、チベットに出会う text: Kyo ARAKAWA

#08■ダライ・ラマ法王インタビュー!
法王が時々法話の最中、急にサンバイザーを被られる理由、知ってますか?

色々な方々の手を借り、長い準備を終えて、ついにとうとう、この日がやってきました。インタビューまでに私たちは何度も何度もミーティングを重ね質問を吟味しました。
ブルータス取材班も、万年雪の積もるヒマラヤを決死の覚悟で越え、チベットでは絶対心の中にしまっていなくてはいけない法王についに会えた人たちの、愛する人にやっと出会えて高揚し、同時に尊敬と畏怖で緊張した、なんともいえない不思議な表情をみたりした後には、深い質問や大きな質問もたくさん考えたのです。


けれど最終的に私たちは<消費社会バンザイ!買い物バンザイ!>という世界有数の煩悩の多い、欲望渦巻く街東京に住んでおり、それでいてバブル世代でもない私たちとしての目線――物質的な幸せではなく他の新しい価値を見出そうとしている――という視点から質問をしようという事に決まりました。

法王秘書のお2人と相談をさらに重ねた中で私がきゅーんときたのは、どうして法王がサンバイザーを法話中にかぶられるのかということ。
その理由はスポットライトがまぶしくても私たちの顔をみたいからなんですって!

そんなふうにいつも心をこめてお話なさるダライ・ラマ法王についにインタビューできる日、毎日ワークパンツやデニムで過ごしていた取材班もその日は全員ジャケットを着用し靴を磨いてスタンバイしたのでした。

私たちはまず受付を済ませ、荷物をX線に通し、自分たちもX線を通った後、直接体を触られる入念なボディーチェックを受けます。それが終わると名前やパスポート番号の書かれたノートにサインをし、入館パスを渡されます。待合室に通されると、そこには様々な賞状やトロフィー、ガンジーの写真などが飾られていました。


さすがの取材班も緊張気味にファイナル準備をしていると、そこへ凛としたお坊さんが入ってきました。この方がチベット亡命政府に初めて国民投票で選ばれた総理大臣であるサムドン・リンポチェで、私たちの前に法王とお会いになっていらっしゃいました。総理が待合室に戻られて、いよいよブルータス取材班はインタビュー室に通されました。

法王は笑顔で私たちを迎えて下さり、スタッフ全員がダライ・ラマ法王やカルマパ17世のお顔、日本とチベットの国旗などのピンバッチ(※その6で紹介したお店で購入)をめいめいつけているのをご覧になると「何をつけいてるの?」と笑ってお聞きになりました。
着席すると編集者の田島さんがブルータスを手渡し雑誌の説明をした後、いよいよ有太さんのインタビューが始まりました。
そしてダライ・ラマ法王がお話を始めた途端……それに合わせたように大きなカミナリが鳴ったのでした!

インタビューは有太さんが英語ができるため、通訳が要らない分、限られた時間で多くの話をしていただき、大いに盛り上がって予定時間を大幅に過ぎ、笑いの中で終わりました。

[写真をクリックすると拡大して見られます→]



ブルータスをお渡しした時の写真です。インタビューは必ずこのお部屋であるそうです

69歳ともなれば子どもや孫に囲まれて穏やかに過ごしているのが普通です。
新しい人と会うのは、きっと年を重ねるにつれ億劫になりますし、ましてそれが何を質問されるのかわからないインタビューであったりすれば疲れることでしょう。
けれども法王は身を乗り出し、私たち1人1人の目をしっかりとみつめて対応して下さったのでした。

写真撮影が終わり、みんなが用意してきたプレゼントを渡し終わったあと、私も握手をしていただきました。その手の柔らかかったこと!
これで私の一生は安泰だなと思った瞬間です。
ブルータスで長田さんが担当なさった法王の歴史のページに載っているハーブ・リッツの写真が、実は数珠を持ったお手と2枚で一組だというのも理解できます。それほど印象深い手なんです。



私は以前から、2歳で既に一生が決定され、国を追われてなおポジティブでおられるダライ・ラマ法王に魅力を感じていました。また、経験する事なしにどうして恋愛や物欲などの物事の真実についてもわかるのかしらと不思議に思っていました。
でも実際に猊下にお会いして、ああ、きっと修行の間に色々なことを体験なさったのだろうとなあと思いました。だって心からの言葉でなかったら、これほど世界中のみんなの気持ちをチベットに向かせることはできないと思うからです。


それからもうひとつ、人ってそんなに変わらないんだろうなあと思いました。
法王のしぐさは時にとってもチャーミングで、まるで少年のような時があるのです。
仏教、法話、科学者との対談など、今までダライ・ラマ法王の本がたくさん出されてきましたし、これからも出版されるでしょう。
ダライ・ラマ法王が何度も繰り返し仰ったように、物事には色々な側面があります。
今回のブルータスのインタビューでは法王の今まであまり知られてなかった、子どもの頃から変わらない聡明でチャーミング、そしてユーモアのある側面がさらに皆さんに伝わったらうれしいなあと私は個人的に思っています。
だって、ほんとに魅力的な方なんですもの。(荒川 京)

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▼ダライ・ラマ法王のことをもっと知りたい!
 ダライ・ラマ法王(チベット・ハウス)

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